前回記事のオペアンプによる三角波発生回路に、コンパレータを組み合わせると、PWM信号発生回路がつくれます。
ということで、つくってみました。
オペアンプとコンパレータによるPWM信号発生回路
製作した回路の回路図はこちら。
前回記事の三角波発生回路と、三角波発生回路の基準電圧を決める分圧回路、コンパレータ、コンパレータの基準電圧を決める分圧回路で構成されています。
PWM信号発生回路の回路定数の決め方
こんな感じの仕様で作っていきます。
- 電源電圧:5V(単電源)
- PWMキャリア周波数:20kHz
- duty出力範囲:0%~100%
まず、コンパレータを手持ちの部品の「LM339」としました。このLM339は、こちらのEDNの記事(https://edn.itmedia.co.jp/edn/articles/1002/01/news105_3.html)によると、信号入力は電源電圧付近まで入れられないようです。電源電圧を5Vとしたので、LM339の入力最大値を3.5Vとします。duty100%も出したいので、三角波のピークを3.3Vとします。
三角波発生回路のオペアンプには、「NJM2137」を使いました。このオペアンプは5V単電源で使用すると、出力飽和電圧が出力"H"で4V、"L"で1V程度なので、これらの値を矩形波の振幅とします。
よって、三角波と矩形波の振幅はこのように設定しました。三角波発生回路の基準電圧Vmは2.5Vとしました。
ここから、三角波発生回路の回路定数を決めていきます。
C1を0.01uFとすると、R3は
近い値の2.2kΩとします。
より、R1:R2=0.8:1.5=1:1.875となります。この比に近くなるようにR1とR2を選んで、R1=3kΩ、R2=5.6kΩとしました。
また、三角波発生回路の基準電圧用の分圧回路は、Vm=2.5Vなので、R4:R5=1:1です。R4、R5ともに10kΩとしました。
つづいて、PWMのduty設定用分圧回路の値を決めていきます。ボリューム抵抗VRを下限にしたときduty0%、上限まで回した時duty100%となり、かつコンパレータの入力の上限3.5Vを超えないようにします。
今回は単純に3つとも同じ抵抗値として、電圧を3分割することにしました。すると、VR下限で1.67V、VR上限で3.33Vくらいとなり、ちょうといい感じになります。(けっこうギリギリなので、抵抗値のばらつきでうまくいかないこともあるかもしれません。今回は小細工なしでこれでいけました。)
ということで、R6,R7,VRとも、2kΩにしました。また、LM339のプルアップ抵抗は1kΩとしました。
これで、回路定数が決まりました。
PWM信号発生回路の動作波形
製作した回路を実際に動かしてみました。
PWMキャリア(三角波)の周波数は21.5kHz程度になりました。
波形は、[CH1(黄):PWM出力、 CH2(青):三角波出力、 CH3(紫):コンパレータ-端子電圧(VR出力電圧)]となっています。
duty=16.8%のとき
duty=50%のとき
duty=81%のとき
duty=0%のとき
duty=100%のとき
余談
今回の回路では、余りのLM339の処理は、(+入力端子に)電源電圧を入力しています。
一応、変な動きはしていない(使用しているコンパレータに影響はない?)ですが、三角波発生回路用の基準電圧を入力しておいた方が無難かもしれません。
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