前回までに、チャージポンプによる2倍電圧、負電圧、3倍電圧をやりました。今回は「チャージポンプで負の2倍電圧・3倍電圧をつくる」考え方について、やっていきます。
-2倍電圧をつくるチャージポンプ回路
チャージポンプで負の2倍電圧(-2倍電圧)をつくる回路は、このようになります。
この回路がどのように動いて、電源電圧の-2倍を作り出すのか?順に追ってみていきます。(話を単純化するため、ダイオードの順方向電圧はゼロとして考えます)
チャージポンプで-2倍電圧をつくる回路の動作
状態1
まず、発振器がEを出力すると、コンデンサC1が電源電圧Eまで充電されます。
状態2
次に、発振器が0「V]を出力すると、コンデンサC1によって、C2が充電されます。
状態3
ふたたび発振器がEを出力すると、C2と電源によって、C1とC3が充電されます。
関係のある部分を抜き出して、回路を書き換えると、こんな感じになります。
状態4
つづいて、発振器が0「V]を出力すると、C1とC3によってC2とC4が充電されます。
関係のある部分を抜き出して、回路を書き換えると、こうなります。
C4は、C1とC3を直列とした電圧で充電されるので、電圧は2Eとなります。そして、電源・負荷からみて逆方向に充電されているので、出力電圧は-2Eとなります。
-3倍電圧をつくるチャージポンプ回路
チャージポンプで負の3倍電圧(-3倍電圧)をつくる回路は、このようになります。
-2倍電圧出力の回路に、C3とC4とダイオードのセットを、もう一段(C5とC6とダイオード)追加した形となります。
状態5
-3倍電圧出力の回路動作は、-2倍の回路とC4が充電されるまで(状態4まで)は同じです。
発振器がEを出力すると、C2とC4と電源によって、C1とC3とC5が充電されます。
関係のある部分を抜き出して、回路を書き換えると、こうなります。
状態6
発振器が0「V]を出力すると、C1とC3とC5によってC2とC4とC6が充電されます。
関係のある部分を抜き出して、回路を書き換えると、こうなります。
C6は、C5(2E)とC1(E)を直列とした電圧で充電されるので、電圧は3Eとなります。そして、電源・負荷からみて逆方向に充電されているので、出力電圧は-3Eとなります。
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