コンデンサを使って、電圧変換をする「チャージポンプ」という回路があります。このチャージポンプを使うと、比較的カンタンに2倍の電圧(など)をつくることができます。
今回は、チャージポンプによるダブラ(2倍電圧出力)の基本と考え方について、やっていきます。
チャージポンプで2倍の電圧をつくるイメージ
チャージポンプで2倍の電圧をつくるイメージは、こんな感じです。
まず、電源電圧までコンデンサを充電して、それから充電されたコンデンサを電源に上乗せすることで、電圧を2倍にすることができる!といったイメージです。
こういった動作を、スイッチによって回路をうまいこと切り替えて、実現します。
チャージポンプで2倍電圧をつくる回路の動作
実際の回路は、こんな感じです。電源と、電源電圧で矩形波発振する発振器を別に用意することで、コンデンサの充電と上乗せを実現します。
順に動作を追うと...
発振器が0[V]を出力している間は左のSWをON、右のSWをOFFにします。すると、コンデンサを充電できます。(電源電圧まで充電)
次に、左SWをOFF、右SWをONとして発振器が電源電圧を出力すると、発振器の出力電圧(電源電圧)にコンデンサの電圧を加えたものが出力されます。これで出力コンデンサを充電しつつ、負荷に供給します。(発振器が0[V]を出力している期間は、出力コンデンサが放電して、負荷に供給)
もう少し現実的なチャージポンプ回路はこうなります。発振器の動作に合わせてスイッチを切り替えるのは大変なので、スイッチをダイオードにしています。すると、矩形波発振器の動きによって勝手に左右のダイオードがON/OFFされるので、ラクに実現できます。
充電時と放電時に2回ダイオードを経由するので、出力電圧は、電源電圧の2倍よりも、ダイオードの順方向電圧Vf2つ分低い電圧になります。(Vout=2E-2Vf)
使用するダイオードは、ショットキーバリアダイオード(SBD)がおすすめです。順方向電圧が小さく、リカバリ特性が良いというのが理由です。(漏れ電流には注意)
汎用整流ダイオードはリカバリ特性が悪いので、こういった用途には向きません。
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