R,CによるLPFもHPFも分圧回路

2023/02/12

計測

t f B! P L

抵抗とコンデンサによるLPF(Low Pass Filter)、HPF(High Pass Filter)は良く使われます。

フィルタ回路の定番ですが、これらの回路も、結局のところ「分圧回路」です。今回は、RC-LPF、HPFを"分圧回路"の視点から見てみます。

RC-LPF

RとCの分圧回路がLPFになる

まずはLPF(ローパスフィルタ)から考えていきます。

RC-LPF

RとCを縦に並べると、「RとCによる分圧回路」って感じがしてきませんか?

ちなみに、LPFとは、LPF:Low Pass Filter:ローパスフィルタで、その名の通り、ローをパスするようなフィルタです。(つまりハイはカットする)

ここで、「ハイ」「ロー」といっているのは、信号の周波数です。

LPFとは?

さて、LPFは交流の話なので、RとCを「インピーダンス」で考えます。

「インピーダンス」というのは、"抵抗"を「交流の世界」用に拡張したもので、「交流の世界」での"電流の流れにくさ"を表します。

さきほどのRC-LPFをインピーダンスとしてみると、

RC-LPFはZ1とZ2の分圧回路

Z1とZ2による分圧回路です。Z1の素子が抵抗で、Z2の素子がコンデンサです。

コンデンサは、周波数が大きくなると、インピーダンスが小さくなり、周波数が小さくなると、インピーダンスが大きくなります。

そのため、周波数が大きくなると、分圧回路のZ2が小さくなるため、出力電圧が小さくなる(信号を遮断している)というローパスフィルタの動作がイメージできるかな、と思います。

インピーダンスとベクトル図を用いて考えてみる

もう少し詳しくみていくと、インピーダンスはそれぞれ

RC-LPFのインピーダンス

となります。これらのインピーダンスをベクトルで表すと、こうなります。

RC-LPFのインピーダンスをベクトル表示

電流iが流れるとすると、各部の電圧は

RC-LPF各部電圧

となるので、ベクトルで表すと、

RC-LPFの電圧ベクトル

となります。上図のベクトルをみると、Vinの大きさに対して、Voutの大きさが小さくなっています。また、Vinに対してVoutは位相がθ遅れていることも見て取れます。(LPFの働き)

周波数によるRC-LPFの電圧ベクトル

周波数が低いときと、高いときでは、電圧ベクトルが上図のようになります。また、この図からも、RC-LPFの位相遅れは最大90°(Vin≒V1のとき)なのが読み取れます。

カットオフ周波数

ちなみに、|Z1|=|Z2|のときにカットオフ周波数となります。

カットオフ周波数のときのZ1とZ2

このことが分かっていると、「あれ、カットオフ周波数の式ってどんなだったっけ?」となっても、すぐに導き出せます。(というか覚える必要がありません)

カットオフ周波数の導出

RC-HPF

HPFはLPFのRとCを入れ替えた形になります。考え方は、LPFと同様です。

RC-HPF
RC-HPFはZ1とZ2の分圧回路

インピーダンスは、このようになります。

RC-HPFのインピーダンスとベクトル

電流iが流れるとして、各部の電圧とベクトルは、このようになります。

RC-HPFの各部の電圧とベクトル
周波数によるRC-HPFの電圧ベクトル

周波数が低いときには、Vinに対してVoutの大きさが小さくなり、位相差が大きくなります(VoutはVinに対して進み)。周波数が高いときには、VinとVoutの電圧差が小さくなり、位相もあまり変わりません。

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