オペアンプの反転増幅回路、非反転増幅回路も"分圧回路”で分かる

2023/01/08

計測

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オペアンプの「反転増幅回路」や「非反転増幅回路」、ゲインの式を丸暗記でなんとかしていませんか?

複雑そうに見えて、これらの回路のゲインの式は、抵抗分圧回路が分かればすぐに導き出せます。今回は、オペアンプの反転増幅回路や非反転増幅回路について、やっていきます。

(関連記事:オペアンプの動作イメージとバーチャルショート
(関連記事:分圧回路とその使い方

非反転増幅回路

非反転増幅回路

オペアンプによる非反転増幅回路は、このような回路ですが、ちょっと変形すると、こうなります。(いかにもR1とR2の分圧回路って感じがしませんか?)

非反転増幅回路を分圧回路としてみる

R1とR2を分圧回路として見ると、VoutがR1とR2によって分圧された電圧が、オペアンプの(-)端子にかかっているといえます。

[補足]:オペアンプの入力端子は入力インピーダンスが大きいので、電流が(ほとんど)流れ込みません。そのため、オペアンプの(-)端子の影響は考えなくて大丈夫です。

オペアンプの(+)端子にはVin、オペアンプの(-)端子にはVoutをR1とR2で分圧された電圧が入ります。出力電圧が負帰還されているので、オペアンプの(+)端子と(-)端子の電圧は等しくなります(バーチャルショート)。オペアンプの(+)端子と(-)端子とが、つり合うイメージです。

非反転増幅回路のイメージ

これを式で表すと、

非反転増幅回路のバーチャルショートを示す式

この式を変形していくと

非反転増幅回路の式導出

よく見る非反転増幅回路の式になります。

(+)端子と(-)端子の天秤がつり合うとき、Voutを見てみたら、こんな値になっていた。といったイメージです。

反転増幅回路

反転増幅回路

オペアンプによる反転増幅回路はこのような回路です。

反転増幅回路では、電流がオペアンプには流れ込まず、R1とR2に同じだけ流れることから、ゲインの式を求めるのが定石です。ですが、ここでは非反転増幅回路と同様に、R1とR2による分圧回路として考えてみます。

R1とR2による分圧回路として見ると、その中点電圧は、

反転増幅回路のR1とR2による分圧

となるので、オペアンプの(-)端子には、この分圧された電圧がかかり、オペアンプの(+)端子にはGND(=0V)がかかります。これらがつり合うので、

反転増幅回路のイメージ

反転増幅回路のバーチャルショートを示す式

式を変形していくと

反転増幅回路の式導出

反転増幅の式が導出できます。

まとめ

ポイントは、

  • 抵抗分圧回路として、中点の電圧を求める
  • バーチャルショートが成り立つ⇒(+)端子の電圧と(-)端子の電圧がつり合う

ということです。あとは、(+)端子の電圧と(-)端子の電圧が等しいことから、式を変形すれば導出できます。

実際のオペアンプの動作としても、Voutを式で示された電圧になるように制御している。というより、(+)端子の電圧と(-)端子の電圧がつり合うように動作した結果、Voutは式で示された電圧になった。といった感じです。

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