タイマーIC「555」の動作解説(4)~50%Duty発振回路~

2022/10/30

部品

t f B! P L

今回は、(タイマーIC「555」の動作解説(1)~基本動作~)をふまえて、タイマーIC「555」の50%Duty発振回路の動きについて考えていきます。

(計算フォームはこちら → タイマーIC「555」各動作の周期、周波数の算出

50%dutyとは?

duty50%とは

dutyが50%というのは、周期Tのうち、"H"である期間tHが50%、ということです。

"L"の期間tLも50%となり、tH=tLとなります。

50%duty発振回路

上記のように、周期の半分が"H"、残りの半分が"L"のような、矩形波を出す回路が「50%duty発振回路」です。

前回(タイマーIC「555」の動作解説(3)~無安定動作~)の無安定動作の回路で、Dutyが50%になるように設定すればいいのでは?

と思いがちですが、前回の回路でtH=tLとするには、(Ra+Rb)=Rbとする必要があるため(Ra=0はDCHピンで電源短絡となるためNG)、dutyを50%にすることができません。

そこで、簡単にduty50% の矩形波を出す回路がこちら。

555による50%duty矩形波発振回路

ちなみに、この50%duty発振回路はCMOS版の555で使える回路です。バイポーラ版の555ではうまくいかないらしい(試したことない)です。

50%duty発振回路の解説

555の基本動作は、

555の基本動作

です。なので、50%duty発振回路のコンデンサ電圧(=Trigger電圧=Threshold電圧)が電源電圧の1/3を下回ると出力"1"、電源電圧の2/3を上回ると出力が"0"に切替わります。

出力が"1"の期間に、出力から抵抗Rcを介して、コンデンサが充電されます。コンデンサが電源電圧の2/3まで充電されたら、出力が"0"に切替わります。

出力が"0"となると、コンデンサが抵抗Rcを介して出力へと放電されます。コンデンサ電圧が電源電圧の1/3まで放電されたら、出力が"1"に切替わり、再びコンデンサは充電されます。

555の50%duty発振回路の解説

充電・放電とも同じ抵抗Rcを介して行われるので、出力が"1"となる期間と"0"となる期間が同じ時間になります。

555の50%duty発振回路のコンデンサ電圧

出力が"0"の期間では、DCH(7番ピン)の内部FETがONとなります。内部FETがONとなると、DCH(7番ピン)はGNDと同電位となるので、Alternate outputは"0"となります。

出力が"1"の期間では、DCH(7番ピン)の内部FETがOFFとなります。Alternate outputは電源電圧を抵抗Rでプルアップされているので、Alternate outputは電源電圧となり、"1"となります。

ということで、Alternate outputとOutput(3番ピン)は同じ動き(論理)となります。

"H"となる時間tHと、"L"となる時間tLはそれぞれ、

555による50%Duty発振回路のOnOff時間の計算式

となります。なので、周期Tは

555による50%duty発振回路の周期T計算式

となります。

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