ソーラーカー用ウィンカー回路をつくる(2)~矩形波発振回路~

2022/09/18

自作 補器

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前回(ソーラーカー用ウィンカー回路をつくる(1)~概要~)に引き続き、ソーラーカー用ウィンカー回路についてやっていきます。今回は、矩形波発振回路の設計編です。

仕様(回路構成)

設計するウィンカー回路の仕様はこのようにしました。

  • 電源:DC/DCコンバータ(5V、12V±0.15V)
  • 矩形波発振:タイマーIC「555」による発振回路
    発振周波数1~2Hz、矩形波Vp-p:5V、Duty:50%
  • 操作:方式B
  • 発光部:高輝度LED(砲弾型φ5)
  • 電子スイッチ:MOSFET
  • 最大周囲温度:65℃

タイマーIC「555」による矩形波発振回路

タイマーIC「555」による矩形波発振回路の設計を行います。低消費電力とするため、CMOS版の555を用います。今回はナショナルセミコンダクタ製「LMC555」を採用しました。

消費電力を下げるために、電源電圧は5Vとします。

LMC555をDuty50%で発振させるためには、データシートにあるこの回路を用います。

タイマーIC「555」50%Duty発振回路

発振周波数はRcとCで決まります。その値は、データシートより

50%Duty発振回路の発振周波数設定式

コンデンサ容量を1uF、仮の発振周波数を2Hzとしたとき、Rcの値は

となります。発振周波数が最大値設定のため、抵抗値はこれより大きくする必要があります。(発振周波数を最大値より少し下げたい)

そこで、Rc=390kΩとして再計算すると

Rc=390k、C=1uのときの発振周波数

発振周波数は2Hzに近い値にしたかった(2Hzを超えるのはダメだけど、1Hzよりも2Hz側によせた値のほうが視認性がよい)ので、いい感じです。ということで、Rc=390kΩに決定します。

また、50%Dutyサイクルオシレーターの回路図におけるVs-Disch間の抵抗(記号や値が書かれていないやつ)は、Alternate outputを使用しないときには必要ないと思われます。内部トランジスタがONとなるたびに電流を流して、電力をムダに消費することになるので、Dischピンは開放としました。

設計したタイマーIC555による矩形波発振回路の回路図は、このようになりました。

タイマーIC555によるDuty50%矩形波発振回路

周波数を決定するコンデンサ(1uF)は、温度特性、電圧特性を考えて、フィルムコンデンサにしました。

回路を組んで、動作をテストすると、このようになりました。(波形は「Pulse Out」を計測したもの)

555による矩形波発振回路動作波形

発振周波数は1.776Hzとなりました。抵抗Rcはカーボン抵抗としたので、発振周波数は少し誤差がでますが、問題ないと思います。ということで、いい感じです。

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