(LEDの電流制限などに使える お手軽定電流回路(1)CRD&JFET編)と、(LEDの電流制限などに使える お手軽定電流回路(2)三端子レギュレータ編)で、CRDとJFET、三端子レギュレータによる定電流回路を紹介しました。
今回は、その続きとして「トランジスタ」による定電流回路を紹介します。
トランジスタによる定電流回路
今回紹介するトランジスタによる定電流回路は、この2つです。
トランジスタによる定電流回路の考え方のツボ
上記2つのトランジスタによる定電流回路には、共通する「考え方のツボ」があります。
それは、エミッタ抵抗にかける電圧を一定にすると、電流を一定にできる、というものです。
エミッタ抵抗にかける電圧を一定にすると、なぜ電流を一定になるのか?
それでは、なぜ、エミッタ抵抗にかける電圧を一定にすると、電流を一定にできるのか?を考えていきます。
エミッタ抵抗Reにかかる電圧VEが一定のとき、抵抗に流れる電流(=トランジスタのエミッタ電流)は、オームの法則よりIE=VE/Reとなります。VEとReが一定であれば、この電流も一定となります。
エミッタ電流がベース電流と比べて十分に大きいとき、コレクタ電流とエミッタ電流はほぼ同じとなるので、IEが一定であればICも一定になります。
これが、トランジスタによる定電流回路の基本的な考え方です。
トランジスタによる定電流回路(1)
まずはこの定電流回路について考えていきます。
上記の「トランジスタによる定電流回路の考え方のツボ」で述べたように、VEが一定になれば、ICも一定になります。そこで、この回路では、ベース電位を一定とすることでVEが一定となることを狙います。
トランジスタのベース・エミッタ間電圧VBEは、ある程度のベース電流が流れている状態ではほぼ一定の値(0.7V程度)となります。ベース電位をツェナーダイオードによって定電圧化すると、エミッタ電圧VEはVE=VZ-VBEとなります。
ツェナー電圧Vz、ベースエミッタ間電圧VBEはほぼ一定なので、エミッタ電圧VEもほぼ一定となります。VEが一定となれば、ICも一定となります。その値は、だいたいVE/REです。
ちなみにRは、ツェナーダイオードにそれなりの電流を流して定電圧とするための抵抗です。(ベース電流の供給もしています)
トランジスタによる定電流回路(2)
この回路は、(1)とはちょっと違いますが、「抵抗Reにかかる電圧を一定にする」という発想は同じです。
トランジスタQ2のベース電流が十分に小さいとすると、Reに流れる電流は、トランジスタQ1のエミッタ電流とほぼ同じになります。Q1のベース電流も十分小さいとすると、Q1のエミッタ電流とQ1のコレクタ電流もほぼ同じになります。
抵抗Reにかかる電圧は、トランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧と同じになります。よって、Reにかかる電圧VEはほぼ0.7Vで一定となります。VE=0.7Vで一定であれば、抵抗Reに流れる電流(Q1のエミッタ電流)は0.7V/Re、Q1のコレクタ電流もほぼ同じ値(0.7V/Re)となります。
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