LEDは電流を制限して使う必要があります。たいていは抵抗で充分ですが、電流制限抵抗では対応できない場合は、定電流回路が有効です。
そこで、LED回路で使いやすい"お手軽な"定電流回路をまとめてみました。もちろん、LED用途以外でも使えます。
今回は、「CRD」「JFET」による定電流回路についてやっていきます。
(関連記事:LEDに電流制限抵抗が必要なワケ)
定電流ダイオード(CRD)
定電流化を考えたとき、まず候補に挙がるのが「定電流ダイオード(CRD:Current Regulative Diode)」です。
電流制限抵抗の代わりに入れるだけでOKです。それだけで定電流化できるのでカンタンです。
電流が足りないときは、CRDを並列接続して電流値を増やすことができます。
また、CRDは一定となる電流値に結構バラツキ(個体差)があります。
CRDのI-V特性は、こんなカタチです。
CRDは、CRDにかかる電圧が"ある程度"以上であれば、電流が一定になります。(18mAのもので4.6Vくらい。それ以上の電圧をCRDにかける必要がある)
CRDにかける電圧の分だけ、LEDにかけられる電圧が減ります。そのため、CRDを使うと、LEDの直列数をあまり増やせないというデメリットがあります。
CRDを使用するとき、必要な電源電圧は
となります。
電源電圧12V、LEDの順方向電圧が2.1V、CRDにかける電圧を4.8V以上としたとき、LEDの直列数はいくつまで可能か?
ということを考えてみます。上記の式より、
よって、この条件ではLEDの直列数は3つまで、となります。電源電圧12Vのうち、少なくとも4.8V分はCRDにかける必要があるので、意外とLEDにかけられる電圧が少なくなることが感じられると思います。
また、CRDの損失には注意が必要です。CRDの損失は
です。CRDにかかる電圧が5.7V、流れる電流が20mAだったとすると、その時のCRDの損失は5.7V×20mA=114mWになります。CRDにかける電圧が大きいと、損失も大きくなるので注意が必要です。
JFETによる定電流回路
CRDによく似たものとして、JFETによる定電流回路があります。
JFETによってLED回路を定電流化すると、こんな感じになります。JFET(nチャネル)のゲート・ソースをつないで使用します。
このとき、一定となる電流値は、JFETのIDSS(Vgs=0Vの時の値)です。しかし、このIDSSは同じ型番のJFETでも、大きな個体差があります。ランク分けによって、ある程度の範囲に収まるように区分されていますが、それでもかなり大きなバラツキとなっています。
抵抗を入れると、一定となる電流値を下げることができます。抵抗による電圧降下分の電圧がJFETのゲート・ソース間に(負電圧として)加わることで、電流が絞られます。
この抵抗の値を調整することで、狙った電流値にすることができます(抵抗値が大きいほうが電流値が小さくなる)。ただし、IDSSよりも小さい値にしかできません。個々のバラツキがあるので、一個一個実測しながら調整する必要があったりと、正直なところ、結構使い勝手が悪い印象です。(個人の感想です)
また、CRDと同じように、定電流にするには、数V分をJFET(ドレイン・ソース間)にかける必要があります。
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