LEDには電流制限抵抗をつけて使用するのが基本です。
この電流制限抵抗はナゼ必要なのか?ということについて、今回はやっていきます。
LEDの電流・電圧
LEDのI-V特性は、このようなカーブになります。
流したい電流(If)に対応する、順方向電圧VfをLEDにかければ良い。ということは、
このように、電流制限抵抗なしで、電源と直結でも良さそうに思えます。(電源の出力電圧を、流したい電流になるような電圧に設定)
しかし、これはダメです。
ダメな理由はざっと3つ挙げられます。
- 電源電圧の変動
- Vfのバラツキ(個体差)
- LEDの温度特性
電流制限抵抗が必要な理由(1)~電源電圧の変動~
電源にLEDを直結した場合、電源電圧が少し変動すると、LEDの順方向電流が大きく変動します。出力電圧が0.1Vずれただけでも、大きく順方向電流が変わってしまいます。
これに対して、電流制限抵抗を入れた場合は、こんな感じになります。
電流制限抵抗を入れた場合は、負荷線(図中のオレンジ線)を用いて考えます。負荷線とLEDのI-Vカーブの交点が、LEDの動作点です。電源電圧は負荷線とV軸との交点です。
上図より、電流制限抵抗がある場合は、電源電圧が変動(E→Ea、E→Eb)しても、LEDの動作点はあまり変化せず、順方向電流の変動も小さくなります。
電流制限抵抗が必要な理由(2)~Vfのバラツキ(個体差)~
LEDのVf(I-V特性)には、とても無視できない個体差があります。データシートの「順方向電圧」の項をみると、[(例) min:2.0V、typ:2.2V、max:2.6V]といった感じに、最大で0.6Vも差があったりします。
電源にLEDを直結した場合、その電源電圧をtyp値で設定していたりすると、LEDの個体差によって、思っていた以上の順方向電流が流れてしまうことがあります。
電流制限抵抗を入れると、
このように、個体差による影響を小さくすることができます。
電流制限抵抗が必要な理由(3)~LEDの温度特性~
LEDは、温度があがるとVfが小さくなる特性があります。(電流が流れやすくなる方向にI-Vカーブが変化する)
そのため、電源にLEDを直結した場合、25℃の時に電圧をセットして、温度が45℃となったときには、思っていたよりも電流が流れすぎてしまいます。
電流制限抵抗をいれると、個体差の時と同様に、
温度による影響を小さくすることができます。
まとめ
- LEDには電流制限抵抗が必要
- 電流制限抵抗を入れると、電源電圧変動、LEDの個体差、LEDの温度特性などによる影響を小さくすることができる
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