LEDに電流制限抵抗が必要なワケ

2022/05/15

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LEDには電流制限抵抗をつけて使用するのが基本です。

LEDと電流制限抵抗

この電流制限抵抗はナゼ必要なのか?ということについて、今回はやっていきます。

LEDの電流・電圧

LEDのI-V特性は、このようなカーブになります。

LEDのI-V

流したい電流(If)に対応する、順方向電圧VfをLEDにかければ良い。ということは、

電流制限抵抗なしで電源とLEDを直結

このように、電流制限抵抗なしで、電源と直結でも良さそうに思えます。(電源の出力電圧を、流したい電流になるような電圧に設定)

しかし、これはダメです。

ダメな理由はざっと3つ挙げられます。

  • 電源電圧の変動
  • Vfのバラツキ(個体差)
  • LEDの温度特性

電流制限抵抗が必要な理由(1)~電源電圧の変動~

電源電圧変動による影響

電源にLEDを直結した場合、電源電圧が少し変動すると、LEDの順方向電流が大きく変動します。出力電圧が0.1Vずれただけでも、大きく順方向電流が変わってしまいます。

これに対して、電流制限抵抗を入れた場合は、こんな感じになります。

電流制限抵抗ありのときの電源電圧変動の影響

電流制限抵抗を入れた場合は、負荷線(図中のオレンジ線)を用いて考えます。負荷線とLEDのI-Vカーブの交点が、LEDの動作点です。電源電圧は負荷線とV軸との交点です。

上図より、電流制限抵抗がある場合は、電源電圧が変動(E→Ea、E→Eb)しても、LEDの動作点はあまり変化せず、順方向電流の変動も小さくなります。

電流制限抵抗が必要な理由(2)~Vfのバラツキ(個体差)~

LEDのVf(I-V特性)には、とても無視できない個体差があります。データシートの「順方向電圧」の項をみると、[(例) min:2.0V、typ:2.2V、max:2.6V]といった感じに、最大で0.6Vも差があったりします。

電源にLEDを直結した場合、その電源電圧をtyp値で設定していたりすると、LEDの個体差によって、思っていた以上の順方向電流が流れてしまうことがあります。

LEDの個体差による影響

電流制限抵抗を入れると、

電流制限抵抗ありのときのLED個体差の影響

このように、個体差による影響を小さくすることができます。

電流制限抵抗が必要な理由(3)~LEDの温度特性~

LEDは、温度があがるとVfが小さくなる特性があります。(電流が流れやすくなる方向にI-Vカーブが変化する)

そのため、電源にLEDを直結した場合、25℃の時に電圧をセットして、温度が45℃となったときには、思っていたよりも電流が流れすぎてしまいます。

LEDの温度による影響

電流制限抵抗をいれると、個体差の時と同様に、

電流制限抵抗を入れた場合のLEDの温度による影響

温度による影響を小さくすることができます。

まとめ

  • LEDには電流制限抵抗が必要
  • 電流制限抵抗を入れると、電源電圧変動、LEDの個体差、LEDの温度特性などによる影響を小さくすることができる
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