太陽電池のI-Vカーブを取得してみた

2022/04/03

自作 太陽電池

t f B! P L

太陽電池のI-Vカーブを実際に見てみるには、どうしたらいいのか?

そんなことを思って、太陽電池の簡易I-Vカーブ取得器を製作して、実際にI-Vカーブを取得してみました。今回は、そんなお話です。

太陽電池のI-Vカーブの取得のしかた

太陽電池のI-Vカーブは、その太陽電池の動作点の集合体です。負荷抵抗を∞→0までスイープさせて、それぞれの点での電圧と電流を測り、プロットすると、I-Vカーブが出来上がります。ほかの条件(日射とか)が変化しないうちに取得するのがポイントです。

太陽電池と負荷抵抗
負荷抵抗とI-Vカーブ

今回は、MOSFETを負荷抵抗として使用することにします。MOSFETは、Vgsの値によってRonが変化します。これを利用して、Vgsをスイープすることで抵抗値をスイープします。

(関連記事:MOSFETとは? 使い方の基本と動作イメージ)

太陽電池のI-Vカーブの取得器の製作

こんなかんじのものを作りました。

  • 負荷はMOSFET
  • ゲート電圧のスイープは手動
  • データの収集はデータロガーで実施
  • 電池駆動
太陽電池のI-Vカーブ取得器回路図

MOSFETは5Vドライブ可能な「FKI10531」を使いました。ゲート電圧は、電源電圧を可変抵抗(ボリューム抵抗)により分圧して供給しています。ボリューム抵抗の開度(開き具合)でゲート電圧が変化して、ドレイン-ソース間の抵抗値が変化します。

電流は、不燃性酸化金属皮膜抵抗1Ω(3W)をシャント抵抗として用い、両端電圧によって計測します。

接続可能な最大電圧は、使用したMOSFET「FKI10531」の耐圧が100Vのため、85%とすると85V程度です。

また、最大電流は、電流検出抵抗(1Ω,3W)より

最大電流
 

最大約1.7A、ディレーティングを考慮すると1.5A程度(2.25W)です。

最大電力は、MOSFET「FKI10531」より

熱計算

およそ2.7Wです。

(関連記事:カンタンな熱計算のやり方(2)ヒートシンクをつけた時)

外観はこんなです。

I-Vカーブ取得器

基板を用いず、空中配線で構成してます。テキトー感満載!?

<部品表>
型番 入手先
N-ch MOS-FET FKI10531 100V 18A 秋月
不燃性酸化金属皮膜抵抗 1Ω 3W 秋月
可変抵抗 10k Bカーブ
電池ケース 単3 秋月
DC-DCモジュール 0.9V→5V Amazon
ワニ口クリップ(赤)
ワニ口クリップ(黒)
ヒートシンク
コネクタ 4P
プラケース SK-5 秋月

太陽電池のI-Vカーブの取得

製作したI-Vカーブ取得器を使って、太陽電池のI-Vカーブを取得してみました。

実験時刻11:30頃、日射強度は定格比90%。日射強度は(簡易日射計を自作してみた (どれくらい発電するかを概算!))で測りました。

I-Vカーブを取得する太陽電池はこちら。たまたま家にあったものです。スペック不明です。

対象の太陽電池モジュール
試験回路

I-Vカーブ取得器に太陽電池とデータロガーを接続します。データロガーのサンプリングは100ms毎と設定して、"RUN"としてから、I-Vカーブ取得器のボリューム抵抗をゆっくりとまわして(ぐりぐりと複数回往復して)データを取得します。

取得したデータは、あとでスプレッドシート上でI-Vカーブにします。

さて、取得したデータをグラフ化すると、こんなカーブになりました。

取得したI-Vカーブ

青色プロットがI-Vカーブ、ピンク色プロットがP-Vカーブです。

テストに使用したモジュールの電圧は1.3V程度(最大電力点付近)、最大電力は0.45W、定格換算で0.5W程度ということが分かりました。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

このブログを検索

最新記事

ブログ運営者:そのへんの誰か


このブログのURL

QooQ