太陽電池の短絡電流は、日射強度によって変わります。
短絡電流と日射強度は、大体比例の関係にあるらしいです。ということは、太陽電池の短絡電流を見れば、大体の日射強度がわかります。
ということで、この原理を利用して、簡易的な日射計をつくってみました。
簡易日射計があると、何がうれしいのか?
→ざっくりとした太陽電池の発電電力が推定できます!
日射強度の大きさと、太陽電池の最大電力は大体比例します。なので、定格値とその割合から、太陽電池モジュールが、定格比何%くらいの発電が見込めるのかが分かります。
ソーラーカーでのエネルギーマネージメントなどで、
ビミューに曇ってるけど、どのくらい発電しそうかな?快晴時の70%?80%?さて、どう見積もるか?
みたいな時の"目安"になります。
また単純に、「この日差し、太陽電池の角度などで、どのくらいの発電が見込めるか」が分かるので、けっこう面白いです。
簡易日射計の部品と回路
回路は超単純です。"回路"と呼ぶほどでも、ですが...
秋月電子で売っていたミニモジュール(短絡電流:250mA)に、4mΩのシャント抵抗をつないで、その両端電圧をテスタ(mVレンジ)でみます。
抵抗値を4mΩとしたので、定格時に両端電圧は250mA×4mΩ=1mV。[1mV=100%]となって、見て分かりやすくなっています。
ちなみに、たまたま4mΩのシャント抵抗が手元にあったので、こんな構成にしました。もっと単純に、
こんな構成でもいい気がします(テスタで短絡する)。この場合は、250mA=定格比100%となります。
簡易日射計に使用した部品を表にまとめます。
太陽電池 | 1V-250mA |
シャント抵抗 | 4mΩ |
バナナジャック(赤) | MK-626-0 |
バナナジャック(黒) | MK-626-1 |
出来上がった簡易日射計の外観は、こんなかんじです。
100均タッパーを箱にして、太陽電池は両面テープでくっつけてます。
作った簡易日射計を試す
つくった簡易日射計をつかって、実験してみました。いろんな条件で、どの程度の発電が見込めるか?を見てみます。実験日時は、3月某日、AM10:00ごろ、天気は快晴。
垂直 | ナナメ | 水平 | |
窓越し(窓直近) | 0.51 | 0.70 | 0.50 |
窓越し(窓から1mくらい) | 0.32 | 0.38 | 0.29 |
屋外 | 0.82 | 1.05 | 0.80 |
充分明るい室内(直射日光ではない) | 0.02 | 0.04 | 0.04 |
実験結果を見ると、屋外でいい感じの角度でほぼ100%の発電が見込める日射で、窓越し室内で38%程度、窓直近で70%でした。窓越し屋内だと、やっぱりそれなりに減衰します。
角度によって発電電力が変わるのも見て取れます。また、直射日光でないと(明るくても)あんまり発電は見込めません。
こんな感じで、いろいろ試すと面白いです。
参考文献
- N/Pシリコン太陽電池日射計
https://www.jstage.jst.go.jp/article/agrmet1943/30/4/30_4_167/_pdf/-char/en - 実用的I-Vカーブ作成法を使った太陽電池日射計
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejias1987/117/10/117_10_1187/_pdf
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