太陽電池のI-Vカーブは、なぜあの形なのか?

2022/02/13

太陽電池

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今回は、「太陽電池のI-Vカーブは、なぜあの形なのか?」についてやっていきます。

(太陽電池のI-Vカーブについては→太陽電池の基本と押さえておきたい特徴

出発点はダイオード

太陽電池はpn接合で出来ていて、光が当たっていないときは、pn接合ダイオードのようなものです。

そのため、光が当たらないときの太陽電池のI-V特性は、pn接合ダイオードのI-V特性のようになります(図中の青線)。下のI-V特性図は、pn接合ダイオードと同様に、電流はP→N方向を"正"としてグラフを描いています。

光の強さと太陽電池のI-V特性

光が当たると、特性カーブ全体が"下方向"へシフトします(図中の緑線・橙線)。光の強さによってシフト量が変わるイメージです。

ここで、I-Vカーブ上の"とある点"について、考えてみます。

光が当たると発電する領域が出現

上の図の、青線上(光が当たっていないとき)のA点では、電流、電圧ともに"正"の値となります。そのため、電力も"正"の値になります。これは、ダイオードの損失と同様に、消費電力です。

橙線上(光が十分に当たっているとき)のB点では、電流が"負"、電圧が"正"となり、電力も"負"となります。消費電力が負となる、ということは、「発電している」ということになります。

この発電している領域に着目して、発電領域で使用するのが、太陽電池です。発電しているB点では、電流はN→P方向へ流れます。

電流の符号を逆転

電流符号を逆転する理由

太陽電池は発電デバイスなので、発電電力を"正"とする(発電を基準に考える)のがセオリーです。そのため、電流の符号のとりかたを反転させます。

N→P方向を"正"とすると、太陽電池の発電電流が"正"となり、発電電力が"正"となります。

すると、先程の図をV軸を中心にI軸が反転することになるので、I-Vカーブはこうなります。

電流符号を反転させたI-Vカーブ

この図の電流・電圧が"正"である領域が、太陽電池が発電する領域となります。この電圧と電流が正である領域を切り出したものが、よく見る「太陽電池のI-V特性」です。

太陽電池のI-Vカーブの形は、ダイオードのI-Vカーブの形

太陽電池のI-Vカーブは、ダイオードのI-Vカーブがそのままシフトして出来たものです。そのため、太陽電池のI-V特性の曲線は、ダイオードが導通し始めるあたりの曲線を上下反転させたもの、といえます。

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