太陽電池は、「電池」と名はついているものの、電池というより発電デバイスです。
乾電池などとはだいぶ違う特性を持っているため、それらをちゃんと考慮して使用しないと、実力を発揮できません。
今回は、「太陽電池の基本と押さえておきたい特徴」というテーマでやっていきたいと思います。
太陽電池は発電機
先ほども述べましたが、太陽電池は発電機です。そして、「光のエネルギーを電気エネルギーに変換する装置」です。
一般的な電池のように、内部に電気を蓄えていて、それを出力するのではありません。
たいていの太陽電池は、シリコンのpn接合でできています。なので、「光があたると発電するダイオード」という認識でだいたいOKだと思います。
セルとモジュールとアレイ
太陽電池の素子単体をセルといいます。
セルを集めてパッケージしたものがモジュール、モジュールを集めたものがアレイです。
太陽に対する角度は90度がもっとも発電する
太陽電池は、太陽(光)に対する角度が90度のとき、最も発電します。(感覚的にも分かりやすいと思います)
太陽に対する角度が垂直から外れると、外れた分だけ発電が落ちます。光がナナメから入射する場合の発電電力は、その垂直方向成分(図ではsinθ)だけ発電すると考えれば計算できます。
(例)垂直に光を当てると100W発電する条件で、θ=45°のときの発電電力は
P = 100×sin45°= 70.7[W]
と、計算できます。
太陽電池は高温が苦手
太陽電池は温度が上がると、出力電圧が下がります。それによって、発電電力も下がります。
夏は日差しが強くて、「いかにも発電しそう!」ですが、パネルの温度が上がりやすいため、それほど(イメージほどは)発電電力が伸びにくいです。おなじ日射で気温が低い方が良く発電します。
ソーラーカーの"甲羅干し"の際に、パネルに水をかける(最近はレギュレーションで禁止になってる??)のは、温度を下げるのが目的です。また、走行中は走行風で冷やされるので、それほど問題になりません。
最適動作点(最大電力点)がある
さて、これが今回の本丸です。太陽電池の出力特性は下図の青線のようなカーブになります。これを、I-Vカーブ、I-V特性といいます。電流Iと電圧Vの関係なのでI-V特性です。
Iscは、出力電圧ゼロの時の出力電流、つまり出力をショート(短絡)したときの電流値です。太陽電池は普通の電池とは違い、出力短絡しても、この値までしか流れません。
Vocは、出力電流ゼロの時の出力電圧、つまり出力を開放したときの電圧値です。
太陽電池は、このI-Vカーブ上のある点で動作します。この点を動作点と呼びます。
I-Vカーブより、太陽電池は、出力電流を大きくすると出力電圧が低下し、出力電流を少なくすると出力電圧が大きくなることが分かります。
動作点Aでは、出力電流が大きいが出力電圧が小さくなり、動作点Dでは、出力電流が小さく、出力電圧が大きくなります。
電力は電流×電圧なので、太陽電池の発電電力は、このI-Vカーブ上のある点においての電流×電圧で求まります。
図の例だと、動作点Aの発電電力は青い四角の面積Pa、動作点Dでの発電電力は緑の四角の面積Pdとなります。
ということで、そこそこ大きな出力電流を出しつつ、そこそこ大きな出力電圧を出すような動作点が、最もよく発電することになります。最も発電する動作点を「最大電力点(MPP)」といいます。
太陽電池は、この最大電力点付近で動作させないと、その実力を発揮できません。
太陽電池のスペックに記載されている発電電力は、[1]よく晴れた日に、[2]太陽に対して垂直に向けて、[3]最大電力点で動作させたときの発電電力です。これらの3つの条件を揃えないとスペック上の発電電力は得られないので注意しましょう。
また、I-Vカーブは、日射強度や温度等によって変わります。なので、最適動作点(最大電力点)も日射強度や温度が変わるごとに、日々刻々と変わります。
このコロコロ変わる最大電力点で、太陽電池を常に動作させることができれば、太陽電池の能力をフルに引き出すことができます。そんな都合のいいことをしてくれるのが、MPPT(最大電力点追従装置)です。
MPPTについては、そのうち触れる予定です。
今回のまとめ
- 太陽電池は、発電機。光のエネルギーを電気エネルギーに変換する。
- 太陽電池素子単体を「セル」、セルを集めてパネルにすると「モジュール」。モジュールを集めると「アレイ」と呼ばれる。
- 太陽電池は太陽に対して垂直に向けると、最も発電する。
- 太陽電池は高温が苦手。温度が上がると発電電力が下がる。
- 太陽電池には最大電力点がある。この点を逃すと、能力をフルに発揮できない。
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