分圧回路にコンデンサをつけた時のカットオフ周波数は...?

2021/09/26

計測

t f B! P L

ノイズ対策として、分圧回路にコンデンサを並列接続すること、ありますよね?

この時に、分圧回路とコンデンサとでつくられるローパスフィルタのカットオフ周波数はどうなるのか。今回はこれを探っていきます。

(計算フォームはコチラ → 分圧回路の分圧比、後段Zの影響、Cを付けた場合のfc

分圧回路にノイズ対策コンデンサを追加

今回考えるのは、こんな回路です。

分圧回路にノイズ対策コンデンサ

ノイズ対策として、分圧回路にコンデンサを追加した回路です。

分圧回路と追加したコンデンサによってLPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)が形成されます。このLPFのカットオフ周波数はいくらになるのか?どうやって計算したらよいのか?を考えていきます。

テブナンの定理

ここで突然テブナンの定理を解説します。みなさん、「テブナンの定理」覚えてますか?

テストでは使ったけど、他ではなかなか使いどころが・・・なんて人も多いかもしれません。

今回はそんな、「テブナンの定理」が活躍しますよ!

「テブナンの定理」とは、こんなものです。

テブナンの定理

等価回路のパラメータはこのように求めます。

テブナンの定理のパラメータ算出方法

テブナンの定理で分圧回路を変換する

分圧回路をテブナンの定理で変換

テブナンの定理によって、分圧回路を変換していきます。

まず、端子の開放電圧は、分圧回路の出力電圧そのものなので

分圧回路の端子間開放電圧

となります。

続いて、端子から見た抵抗値は

分圧回路の端子からみた抵抗

となり、R1とR2の並列抵抗となります。

よって、テブナンの定理を用いて変換すると

テブナンの定理による等価回路

となります。テブナンの定理によって変換された直列抵抗Rと、コンデンサCによるLPFとみて、カットオフ周波数を考えると、

コンデンサ付き分圧回路のカットオフ周波数

となります。

具体的な値で計算してみる

分圧回路とコンデンサによるLPFの具体例

こんな値の回路があったとして、具体的に計算してみます。上記のように計算していくと、このようになります。

分圧回路&CによるLPF計算の具体例

よって、カットオフ周波数は

分圧回路LPFカットオフ周波数計算例

となりました。

このコンデンサ付き分圧回路の周波数特性を、回路シミュレータ(LTSpice)でみてみると

コンデンサ付き分圧回路のf特

となりました。

分圧により、直流のゲインが1/10。dBで表すと-20dB。そこから-3dBをカットオフと考えると、およそ900Hz近辺であり、計算は正しそうです。

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