ノイズ対策として、分圧回路にコンデンサを並列接続すること、ありますよね?
この時に、分圧回路とコンデンサとでつくられるローパスフィルタのカットオフ周波数はどうなるのか。今回はこれを探っていきます。
(計算フォームはコチラ → 分圧回路の分圧比、後段Zの影響、Cを付けた場合のfc)分圧回路にノイズ対策コンデンサを追加
今回考えるのは、こんな回路です。
ノイズ対策として、分圧回路にコンデンサを追加した回路です。
分圧回路と追加したコンデンサによってLPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)が形成されます。このLPFのカットオフ周波数はいくらになるのか?どうやって計算したらよいのか?を考えていきます。
テブナンの定理
ここで突然テブナンの定理を解説します。みなさん、「テブナンの定理」覚えてますか?
テストでは使ったけど、他ではなかなか使いどころが・・・なんて人も多いかもしれません。
今回はそんな、「テブナンの定理」が活躍しますよ!
「テブナンの定理」とは、こんなものです。
等価回路のパラメータはこのように求めます。
テブナンの定理で分圧回路を変換する
テブナンの定理によって、分圧回路を変換していきます。
まず、端子の開放電圧は、分圧回路の出力電圧そのものなので
となります。
続いて、端子から見た抵抗値は
となり、R1とR2の並列抵抗となります。
よって、テブナンの定理を用いて変換すると
となります。テブナンの定理によって変換された直列抵抗Rと、コンデンサCによるLPFとみて、カットオフ周波数を考えると、
となります。
具体的な値で計算してみる
こんな値の回路があったとして、具体的に計算してみます。上記のように計算していくと、このようになります。
よって、カットオフ周波数は
となりました。
このコンデンサ付き分圧回路の周波数特性を、回路シミュレータ(LTSpice)でみてみると
となりました。
分圧により、直流のゲインが1/10。dBで表すと-20dB。そこから-3dBをカットオフと考えると、およそ900Hz近辺であり、計算は正しそうです。
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