PWM制御とは? PFM制御とは? (スイッチングの発想)

2021/08/15

パワエレ

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「PWM制御」。耳にされる方も多いのではないでしょうか。「PFM制御」の方はあまり見かけにくいかもしれません。

今回は、パワエレ分野の基本、それ以外の分野でも地味に使用されたりもする「PWM制御」について解説していきたいと思います。ついでに「PFM制御」もやります。

スイッチングの発想(考え方)

PWM制御の前に、スイッチングの基本的な発想について解説していきます。

マイコン、ロジックICのポートや、半導体スイッチは基本的に"0"と"1"しか出せません。(半導体スイッチの素子はリニア動作できますが、あくまでスイッチとして使うということで...)

ここで"1"、"0"は論理上の値で、たいていは電圧が"ある"、"ない"で表されます。"1"は5Vだったり、3.3Vだったり、はたまた30Vだったりしますが、"0"は多くの場合0Vです。

ともかく、"0"と"1"しか出せないので、「0V」と"1"に割り当てられた「とある電圧」しか出せません。

0と1しか出せない

ここで、なんとか"0"と"1"の間の値を出せないか?と考えます。

そこで、こんな発想をします。少しだけ"1"にして、後は"0"、また少しだけ"1"にして、後は"0"...を繰り返したら、なんとなくそれらしい値にならないだろうか?

スイッチングの発想

今度は"1"を多めに、"0"を少なめにしてみると

スイッチングの発想(duty高め)

といった具合に、"1"と"0"を繰り返すことで、(平均的に見れば)"1"と"0"の間の値を出すことができそうです。しかも、"1"と"0"の比率で好きな値を出すことができそうです。

ON・OFF比率で間の値を出せる

"1"と"0"の比率を分かりやすく示すために、「Duty比」というものが登場します。

duty比とは

Duty比は「1周期のうち、どれだけ"1"となっているか」を表します。Duty比は略して「Duty」と呼ばれることも多いです。また、%で表されることも多くあります。

このDutyをどうやって変化させるか。その方法のうち、一番メジャーなのが「PWM制御」です。

PWM制御

PWM:Pulse Width Modulation:パルス幅変調

PWM

PWM制御は、周期Tを固定してON時間を変化させることでDutyを制御します。周期Tは固定されているので、ON時間が大きくなると、その分だけOFF時間が減ります。固定された周期=単位時間のなかで、どれだけONとするか、でDutyが決まるため直感的にも分かりやすいかと思います。

PFM制御

PFM:Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調

PFM

PFM制御は、ON時間を固定して、周期を変化させることでDutyを制御します。ON時間が固定されているため、周期を伸ばすとその分だけOFF時間が伸びます。そのため、周期を伸ばすとDutyが減り、周期を縮めるとDutyが増えます。

応用分野と重要な発想

PWM制御(PFM制御)の応用例として、このようなものがあります。

  • スイッチング電源、インバータなどのパワエレ
  • シンセサイザーとかの音声出力
  • 簡易D/A
  • ...など

PWM制御・PFM制御だけでなく、他にも応用される重要な発想として、

重要な発想

縦軸(電圧)方向で足りない分解能を横軸(時間)方向で補う

というものがあります。

 
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