テスタの電流レンジにご注意を!

2021/06/13

テスタ

t f B! P L

テスタは1台で電圧計にも、電流計にもなります。他にもいろいろな機能があって、とても便利です。 今回は、「テスタでありがちな失敗」について解説していきたいと思います。

テスタによる、ありがち失敗シチュエーション

【場面設定】太陽電池によってバッテリを充電している
という状況(ソーラーカーの"甲羅干し"など)を想定してください。

はて、どれくらい充電されてるかな?
バッテリ電圧はどこまで回復しただろうか?

といって、おもむろにテスタを取り出し、プローブをあてて測ります。

テスタで電圧測定
ふむふむ、電圧は○○Vか。
ちなみに、今どれくらいの電流で充電しているのかな?
テスタの電流レンジの失敗

電流レンジに切り替えて、ついうっかり、同じところにプローブをあてると...

テスタの電流レンジの失敗2

テスタのヒューズをとばすことになります(それで済まない場合もある)。特に、安価なテスタの場合、大きな電流のレンジにはヒューズが入っていないものもあるので要注意!!です。

この場面、結構あるあるです。

図でみると、状況が把握しやすいのですが、実物だと「配線がどこへつながっているのか」、「自分が今、何をしようとしているのか」が、ぱっと見分かりづらいものです。

何がいけなかったのか

さて、何が起こったのか、何がいけなかったのか。解説していきます。

テスタに限らず、電圧計と電流計はつなぎかたが違います。

電圧計は、測定箇所に対して並列に接続して使用します。
電圧を測りたい箇所にプローブをあてると、プローブ間の電圧が測定できます。電圧計の内部抵抗はとても大きくなっているため、電圧計に流れ込む電流は小さくなり、元の回路に影響をあまり与えずに測定することができます。(下図の赤黒矢印はプローブを表しています)

電圧計

電流計は、測定箇所に対して直列に接続して使用します。
プローブを通して電流計に電流を引き込み、電流計に流れる電流を計測します。電流計は内部抵抗がとても小さくなっているため、電流計に電流が流れても電圧降下が小さく、元の回路に影響をあまり与えずに測定することができます。(下図の赤黒矢印はプローブを表しています)

電流計

まとめると、このようになります。

Point

★電圧計は高抵抗 ← 測りたい所に並列に接続
高抵抗なので、電圧をかけてもあまり電流が流れ込まない
→ 測定したい回路に影響をあまり与えずに測れる

★電流計は低抵抗 ← 測りたい所に直列に接続
低抵抗なので、電流を流してもあまり電圧降下しない
→ 測定したい回路に影響をあまり与えずに測れる

先程のケースでは、電流レンジの小さい抵抗によって、バッテリをショートしたことになります。(そのため大電流が流れます!!

バッテリを電流計で短絡

大事なポイントは、

電圧を測るノリで電流を測ろうとしないこと!

ということです。

DC電流クランプメータがおすすめ

先程のケースで、テスタで電流を測る場合は、こうなります。

テスタで電流測定

とはいえ、出来上がっている回路(しかも動作中!)を切断するわけにもいきません。このようなシチュエーションで電流を測りたい時には、「DC電流クランプメータ」がおすすめです。↓こういうやつです。

DC電流クランプメータ

似たものとして、AC電流クランプメータというものがあるので注意です。こちらはAC電流専用です。

クランプメータの使い方はこのような感じ。

クランプメータで電流測定

電線をクランプすると、そこに流れる電流が計測できます。クランプメータは、電流を磁気で測るものです。なので、電流を流している配線から離したところでゼロ調整してから使いましょう。

また、電線を2本クランプすると、その合算した値が計測されます。そのため、

まとめてクランプ

電流値が同じで、流れる方向が逆の2本をクランプすると、I+(-I)=0となって、0Aと計測されます。

(余談)電化製品の消費電流を見てみたくて、ACコードをクランプメータではさんでみたものの、「0A」と表示される。なんていうことも、理由は同じです。

ACコードをクランプ
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