今回は、ソーラーカーとエコノムーブ(電気エコランカー)の電気システムの概要について解説したいと思います。まずは、ざっくりと全体像を把握することが大事です。詳細は徐々に深掘りしていけばOKです。
ソーラーカーの電気システム(主回路)
"ソーラーカーのしくみ"ともいえる、走るために必要な回路です。
ソーラーカーの電気システムはこんな感じ。だいたいどこのチームも同じかと思います。
ソーラーパネルで発電して、その電力でモータを回して走る。余った電力はバッテリにためて、足りないときはバッテリから放電して補う。といった仕組みで、とてもシンプルです。
ここで、「MPPT」?? 何それ、おいしいの? 状態でも大丈夫です。「そういうものがある」ということを知ることが第一歩です。とりあえず「ふーん、そんなもんか」くらいで見ておいてください。ちなみに、MPPTは「Maximum Power Point Tracker」の略で、日本語にすると「最大電力点追従装置」。太陽電池の出力を最大化するための回路です。
ソーラーパネルは出力480W~1500W程度、種類は単結晶シリコンが(国内では)主流です。軽くするために、住宅用のような厚いガラスで覆わず、薄いフィルムで覆っただけのものを使います。なので、強度はありません。物理的に力を加えると、すぐ割れます。注意!
モータはブラシレスDCモータがほとんどです。ダイレクトドライブのインホイールモータ(というかミツバ製のモータ)が人気です。
バッテリは鉛シール型やリチウムイオンなど。基本的に、競技用ソーラーカーは、太陽電池の出力のみで走るようにつくられています(バッテリは加速するときや坂を登るときに使用するイメージ)。そのため、バッテリの容量は心もとない量に規定されているので、大会当日に雨が降ると大変です。
ソーラーカーの計測システム
これは車、チームごとにさまざまかと思いますが、一例として図にするとこんな感じです。
わかりやすく図にしたかったのですが、ムリでした。(ごめんなさい。)
計測系では、電流・電圧などの値を取得して、
・「ドライバーに知らせるための表示器」←(これは必須)
・「データロガー」←(あったほうが良い)
・「テレメトリ」←(あったらうれしい)
これらに信号を渡して、車両の状態を把握するのに役立てます。
(例)いま何km/hで走っている、モータ消費電流は何Aか、バッテリ電圧は何Vあるか、などなど。
ウインカー・ハザード、ブレーキランプ、ホーンなどの補器類も車両には必要です。
エコノムーブの電気システム(主回路)
エコノムーブ(電気エコランカー)の電気システムはこのようになります。
ソーラーカーから、太陽電池とMPPTを省いたもの、といえます。
バッテリ容量は秋田のレースで12V,3Ahを4本=144Wh。2時間レースなので平均72Wくらいの出力となります。
エコノムーブの計測システム
エコノムーブ(電気エコランカー)の計測システムの一例です。
ソーラーカーと比較して、かなり簡略化されています。書くのがめんどくさくなったから、ではありませんよ。
低消費電力であるソーラーカーよりも、さらに使える電力が桁ひとつ少ないため、必要最低限の構成となります。チームによってはデータロガーを搭載したりしています。
図に書き忘れましたが、ホーンは必要です。
0 件のコメント:
コメントを投稿